| ミュージックマシーン ■Theピーズ 大木温之インタビュー ■もう惑わないはず(?)の40歳直前に、ギリギリの傑作ロックンロールアルバム「赤羽39」が完成。その制作過程を根掘り葉掘り! |
||||
|
Theピーズが復活後3枚目となるアルバム「赤羽39」を発表。ぼくにとっては前回登場のソウル・フラワー・ユニオンと並んで、学生時代からずっと熱心に聴き続け、いまも現役で活動している数少ないバンドのひとつです。 ■赤羽のだだっぴろいところがいいんだよ、土手とかあるし ――今回の「赤羽39」が10枚目のオリジナルアルバムになるんですね。 枚数がどうこうっていうのは特にないけど、40歳にもなってまだバンドやれてるっていうのはよかったよ。とっくに辞めてるはずだったのに。 ――新作は歳相応のシリアスさとユーモアがにじみ出ているように思います。 ああ、ふざけてはいないよね。下ネタとか食べ物ネタをそんなに入れてない気はする。あいかわらず余裕はないけどな。ギリギリまでいってストイックになっちゃったのかもなあ。余計なこと考えられない感じ。でもわりとコンパクトなロックンロールをちりばめたつもりなんだけど。 ――アルバムを作るときにはテーマのようなものを決めているんでしょうか? んや、ないね。もし統一感みたいなもんがあるとしたらたまたまだね。ここ1、2年は自分らの周りとかでもけっこう訃報が、死んじゃったりとかそういう年頃でさ、それで「死んだらおしめえだなあ」とか「なんで生きてんだろうなあ」とかそんなことばっかり考えるような、この1年。まあ、でも歌詞とかはね、あんまり誰かのためにとかやってないから、どんどん自分のためだけにむいてるとは思うけど、まあ詞にはこだわりそんなにないっす。だから、曲がよければいいっす。曲は明るくパーッと景気よく、3、4分の曲をでかい音でやれればそれでいい。 ――そこなんです。実は今日はTheピーズの“音楽”の話を聞かせてもらいたいと思ってて。歌詞の話も面白いんですけど……。 まあ、歌詞とかそういうのは「ロッキング・オン」の兵庫くんが得意分野だからね。彼にまかせておけばよいと思います(笑)。 ――はるさんのインタビューを読むと、歌詞や生き方について話していることは多いんですが、そのぶん曲やバンドの演奏について語られることが少ないんじゃないかと。だから、どんな音楽的行程を経てこういうアルバムが完成するのかということを、一度ちゃんと教えてもらいたくて。 ああ、それいいねえ。まあだいたい曲はギターをじゃんかじゃんかコード鳴らして。 ――あ、曲はギターで作るんですか。 うん、コードとメロディ、あと鼻歌。 ――「さあ曲を作るぞ」という感じなんですか? 「曲を作るぞ」っていうのはないね。ぶらぶらして口ずさめてるときは自然とできる。いまは空っぽだからできないけど。いつだろね、なんか酔っぱらってるときかな、酔っぱらってぶらぶらしてるときなんかに、そのへんのおっさんが風呂で鼻歌歌うような感じでできる。 ――じゃあギターを持ってノート広げて、というわけではないんですね。 ああ、ぜんぜん。それでいい曲できた試しないな。 ――ぶらぶら散歩しながら? 部屋の中でごろごろでもいいけど、ある程度の血の巡りが必要みたいよ。じっとしてるとダメなんだな。 ――そういうときは酒は飲んでるんですか? うん、たいてい飲んでる。でもべろんべろんだとパッとしないから、いったんべろんべろんに行き着いて、具合悪くなってそのあと醒めていくあたりが、ちょうど鼻歌出てくる時間帯。 ――じゃあそのときにギターを持って? ギター持ってないな。草むらとかかなあ。 ――あ、外に出ちゃうんですか? いまはね、1年くらい前に引っ越したばかりでまだ部屋の居心地に慣れてなくてね。 ――いまも赤羽ですよね。赤羽の中で引っ越したんですか? うん、じわじわと。何に近づいてるのかわからないけど、赤羽内でぐるぐるしてます。 ――赤羽で暮らしているということが曲の内容に影響を与えている部分はあると思いますか? うん、赤羽にいるとネタが自分のことばかりになるよね。誰も周りに友達いないし。下北とか高円寺だったらもうちょっと歌に友達とかも出てくるのかもしんない。でもなんか「ブスだからいーや」みたいな曲ばっかりになるかもしれないし、危険かも(笑)。まあもともとは三茶あたりに住んでたんだけどね、友達との飲みとか麻雀とかが多すぎて、それはそれで楽しいんだけど、毎日がにぎやかすぎてね。だから赤羽のだだっぴろいところがいいんだよ、土手とかあるし。にぎやかなのも好きだけどそういうときは出かけりゃいいんだ。赤羽だと、ひと月誰とも会わないとかっていうのも可能だからね。 ――友達が赤羽に遊びに来たりは? ないない。来なくていいよ(笑)。 |
|||